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『赤目四十八瀧心中未遂』2003年(邦画)


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『赤目四十八瀧心中未遂』2003年(邦画)
1998年に第119回直木賞を受賞した車谷長吉の長編小説『赤目四十八瀧心中未遂』を映画化。

 

 

作品情報

作品名『赤目四十八瀧心中未遂』
公開:2003年(邦画)
監督:荒戸源次郎
原作:車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』(文藝春秋社)
主演:大西滝次、寺島しのぶ

 

 

あらすじ

主人公は元インテリの生島(大西滝次郎)。
彼はこの世に自分の居場所がないと、
すべてを捨て(あるいは捨てられ)尼崎にたどり着く。
焼き鳥の女主人に古アパートの1室をあてがわれ、焼き鳥屋の串刺しを来る日も来る日も繰り返す。
そんなただ串刺しだけをする彼の前に現れたのが、同じアパートで暮らす綾という美しい女性(寺島しのぶ)。
彼女は彫り物師(内田裕也)の愛人なのだが・・・

 

 

映画の感想

 

 

 

この映画の背景は現代ですが、画面全体から昭和の香りがします。
役者さんが他のキャスティングはないだろうって感じで魅力的でした。

 

 

 

舞台は兵庫県尼崎市。通称「アマ」です。
主人公の青年はインテリで、でも社会に適合できず「釜ヶ崎」から
「尼崎」に流れ着きます。
裏ぶれた感じですが、そこに寺島しのぶさんが現れるだけで華やかになる。
後でHPを見て知ったのですが、彼女はこの役を志願していた。
自分から売り込んでいる程、役に惚れ演じたいと願い、叶えました。

 

これが彼女の映画初主演でした。
寺島しのぶさん演じる「綾ちゃん」

 

在日朝鮮人で、年の離れた彫り物師の愛人をしています。
禁欲的に毎日古いアパートの一室で串刺しをする青年の前に現れた時は、
ハッとするくらい美しかったです。劇中ずっと白いフレアのワンピースを着ています。
うらぶれた街に不似合いな、清楚さが印象に残る衣装でした。

 

白いワンピースを脱げば、背中一面に大きな入れ墨。
それでも、彼と出掛ける赤目四十八滝への道すがら、
一度口に入れたキャラメルを共有させるかわいい一面を覗かせる。

 

手を出せば、かなり危険な女性だと分かるのに、
世捨て人のような青年は抗えなかった。

 

最後、青年と別れるシーンがありますが思わず胸が痛くなりました。

 

相手を思いやるが故の別れで、自分を犠牲にする決断をしています。
その前に、短い間でも彼と過ごしたかったのだと思うと切ないです。

 

「うち何でも、生島さんのもの取り上げてしまう・・」
というセリフがあります。

 

実際彼の通帳や、他の人への餞別の品を綾ちゃんは奪ってしまいます。
でも何か彼の思い出になるものが欲しかったんだなと思うと
彼女が愛おしくなりました。

 

泥の中で咲く、蓮の花のような美しさ。
主題とは逸れてしまいますが、私にとっては「綾ちゃん」の魅力を楽しむ映画でした。

 

 

キャスト

生島与一 : 大西滝次郎
綾 : 寺島しのぶ
岸田勢子 : 大楠道代
彫眉 : 内田裕也
新世界 : 赤井英和
三角眼 : 麿赤兒
犀 : 新井浩文
真田 : :大楽源太
業 : 大森南朋
娼婦 : 内田春菊
晋平 : :榎田貴斗
辻姫 : 沖山秀子
売女 : 絵沢萠子
父巡礼 : 牧口元美
母巡礼 : 上杉幸子
爺公 : 森下能幸

山根 : 金子清文
出痔亀 : 秋山道男

 

 

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